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1986年9月1日、前日からの微熱を引きずりながらタラップに足を
掛けた。初めての海外。「あつい。」体調か気温のせいなのかはわからない。
バックを担ぎなおし、人波に押されるように空港の建物に向かった。
外と違いひんやりとしたコンクリートの廊下を進み、《入境 外国人》と
書かれた列に並んだ。「外国人なんだ、知り合い一人いない場所なんだ。」
中国語は大学の第二外国語で選択したが、あくまでも授業での中国語。
居眠りをしていた時、先生に「你貴姓?(なまえは?)」と聞かれて
てっきり教科書を読んでいるものと思い「我姓王(わたしは王です。)」と
答え、それからは先生や同級生から『王さん』と呼ばれた私。
微熱のせいではなく、入国審査で聞かれても何一つ分からずトボケタ顔の
私を見ながらスタンプを押してくれた係りの人に「謝謝」とだけ言うと
スーツケースを受け取り外に出た。
蒸し暑い空気、舗装されていない道から舞い上がる砂埃、
全く聞き取れない中国語に不安は大きくなった。
大学からの出迎えの人だけが頼りである。そう留学の為、上海に来たのだ。
大学名を書いた紙が貼ってあった。「ここで待てばいいのかなぁ」
「あなたが最後ですよ、早くバスに乗って」と手を振っている人がいた。
もしかしたら中国語が分かるようになったのかと思ったが、日本語であった。
学校が準備してくれたミニバン(面包車)に乗り込むと先客4名が座っていた。
「坂本さんですね。覚えていますか?」不意に名前を呼ばれた。
「以前の留学説明会で同じ班だった堀内ですよ。」
よく見るとなんとなく4人とも見覚えがあった。
堀内さん、今江さん、村田さん、えぇっと渡瀬さん。。
とりあえず一人ぼっちと言う不安はなくなったが、体調の悪さの為か
安心したからなのか座席に座ると急に眠気に襲われた。
これから上海で暮らすのかぁ。。。。。。。
(つづく)
Posted by 福茶縁 at 18:24:39 |コメントを読む(2) |トラックバックを読む(0) |コメントを書く
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コメント
これって連続小説?
Posted by やな at 2006.05.14 09:10:22
有難う御座います。
どこまで続けられるかは書いている本人も分かりませんが、
連続です。
Posted by 福茶縁 at 2006.05.15 11:06:10

