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2008/06/
<<こだわり>>4半世紀 回想録 3

僕たちが中学の頃は弁当持参だったが、親父が毎朝作るのは大変だし、昼はパン食にしていた。

それと中学に入って知り合った友達の家がパン屋さんだった事もあり、喜んで友達のお母さんが作るサンドウィッチを買った。

ちなみに今もこのパン屋さんはある。先日、少数の同級生が集まる機会があって、そのとき何十年ぶりにその友達に会ったら、看板は外してあるような事を言ってたけど、朝夕は店を開けているようだった。

しばらくして中学1年の秋の遠足の時、僕の将来を決定する大きな出来事があった。

軽くダメもとで、「遠足の時に弁当を食べたい」と言ってしまったのだ。

期待も何もせず軽く言ったのに「わかった」と親父は答えてくれた。

今度は言ってしまったことに対し、嬉しさを通り越して悪くなってしまった。

朝早くから上手に作ってくれた弁当は、家族揃って外食した思い出もぶっ飛ぶくらい美味かった。

この時の感謝と美味しさこそが、僕が料理人になった二つある理由の一つだ。

もちろんもう一つは、見舞いに行く母親の病院のご飯が不味かったからだ。

親父は実に優しく、今もよき理解者だ。

昨今、世の中は難しく食育を叫んでいるが、僕にはそんな事よりすべき事がたくさんあるように思える。

もちろん食育を否定もしないし、考え直す事の一つだろうと思う。でも、ある食育のサイトでは、家族揃ってご飯を食べること、つまり食事のシチュエーションの重要性を説明している文がある。

当然だ。テレビを見ながら一人で食べるご飯よりも、食卓を囲んで食べる方が何倍も美味しいのだ。

僕たちがプロとして考えるのは、表面的な美味しさ以上に食事の楽しさなのだ。

小綺麗なテーブルよりも、山や海で食べるたった一つのおにぎりの方が美味しい瞬間があるのだ。

きっと手のかけすぎを指摘してくれる親方は、ずっと昔にこんな事をわかっていたのだと思う。

 

 

Posted by サバエシティーホテル at 12:17:45 |コメントを読む(2)トラックバックを読む(0)コメントを書く

コメント

お母様の病院の食事がまずかったため安くて美味しいものをたくさんの人に食べてもらいたいと言う話は調理師学校時代になんどか聞いたけど…
お父様のお弁当の話は初耳です。
親というものは本当に頭の下がるものです。感謝感謝です。
素敵なお父様ですね。

Posted by 月龍 at 2008.06.24 15:35:34

あら・・・言ってませんでしたっけ?

あんな時代に僕の話をまともに聞いて、ましてや覚えてくれていることに感謝です。

今も全く料理に向き合う気持ちは変わらないです。

最近は就職難なのか知らないけど、決意が弱いし、目標を持っていない人が多いように感じます。

誰もあの時の僕が料理長になるなんて、想像もしなかっただろうけど・・・。

目標を持てば進む道は解るし、我慢も出来るのにね。
人間として小さかったし、見聞も狭くて、社会のでかさも知らなかったけど、その頃が頂点でないのだけは僕でも解ったけどね。

Posted by 藤井 at 2008.06.24 15:48:01

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